前回は『褒め』がもたらす帰結を書きました。
◆◆合わせて読みたい◆◆
今回は『褒める』事についてのデメリットについて書こうかと思います。
『褒める』事については、推奨したほうが良いと一般的には認識されていると思います。自分もそう思います。
ただ私自身の経験から、デメリットもあるなと実感したことがあるので、それを書いていこうかと思います。
『褒める事』でのデメリット

引用元:yumeyumeさんによる写真ACからの写真
まず1つは、信頼関係があまり築かれていない人から褒めれた時、「何?何か企んでいるのか?」と思ったことがあります。
もう1つは、若手社会人を褒めた時、最後は、自分が好きでやっていた仕事を褒められた時にデメリットを感じました。詳しくは以下に述べていきます。
1.信頼関係があまり築かれていない人からの『褒め』
これは、ただ心情的に「何で褒めるの?」と思ったからです。極端ですが、通りすがりの人に「あなたは素晴らしいですね‼」といきなり褒められた場合、気持ち悪いですよね(かなり極端ですが…)。
なので、自分が尊敬していなかったりする上司などからいきなり褒められると、あまり嬉しくないばかりか「なにか企んでいるのか?」と疑心暗鬼になります。
なので、信頼関係が築かれていない場合の『褒める』事は少しデメリットであると感じています。
ある論文ではこれを「インフラが整備されていない」と表現しています。
『褒める』事で効果を出すには、相手との間に信頼関係が築けているかが重要であると私は解釈しています。
2.褒められた内容に基づいて自己像を形成してしまう
ある報告では、
寄付を募るにあたり、相手に対して慈悲深いとほめた群からは多くの寄付が得られた。
とされ、
これは他者によってラベル付けをされると、それに基づいて自己像を形成し、その通りにふるまおうとするためである。
とされているように、褒められた内容通りに振舞おうとする気持ちはなんとなく分かりますね。
また、『褒める』といっても、私たちは様々な用途で使用しています。
だいたい8つぐらいに分類されるみたいです。
前述したラベル付けは、おそらく「代理強化」といって、
対象者の行動を変化させコントロールするために使われる
と述べられています。

このため、自己像が形成されていない子供や、若手社会人などは『褒め』の内容によってコントロールされ、自分らしさが薄くなる可能性も少しはあるかと思いますので、少し注意をしています。
しかし逆に、こういう人物になってもらいたい、こういう行動の変化を起こさせたいという狙いがある場合は『褒め』による「代理強化」はマネジメントの一部として使えるのかもしれませんね。
3.本人が好き、または楽しいと思っている仕事での『褒め』
ある論文では
楽しいために作業をしていたときに報酬が加わってしまうと,その報酬のために作業をしていると自ら解釈してしまうと説明される。
と述べられています(自己知覚理論(Bem,1967))。
私自身も楽しいから好きでやっている仕事で褒められた経験があります。
するとそれ以降は、その仕事で一定以上の成果が上がった時に褒められない事があると、かなり腹を立てた経験があります。
元々は好きでやってた仕事だったのですが、報酬を求めてやる仕事にすり替わっていたのだと思います。
なので、部下やスタッフが好き、または楽しいと思ってやり始めた仕事は、『褒める』事はせずに、共感したり、進捗の過程の感想を伝えたりしてます。
次は、『褒める時に気をつけている事』について書こうと思います。
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【引用・参考文献】
●吉田 道雄:コミュニケーションとリーダーシップの技術:対人関係のプロフェッショナルを目指して.熊本大学学術リポジトリ
●澤口 右京,他:「ほめ」に関する心理学的研究の動向.目白大学 心理学研究
●青木 直子:ほめることに関する心理学的研究の概観.Psychology and Human Developmental Sciences
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