人材育成・組織マネジメント勉強中のblog

人材育成や組織マネジメント手法について科学的(エビデンス)な知見から記事を書いていこうと思います。

タグ:退職





今回からのシリーズは「組織の底上げの方法」について考察していきたいと思います。



組織の底上げの方法


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引用元:fujiwaraさんによる写真ACからの写真



今回からのシリーズの『組織の底上げの方法』についてですが、組織を構成する人数が増えれば増えるほど、ガバナンス確立や意思の疎通が難しくなってくると感じています。



学校法人 産業能率大学が2018年に報告した調査(従業員数100 人以上の上場企業に勤務し部下を1 人以上持つ課長を対象とした調査)の中で、「課長として悩みを感じていることはありますか?」の問いに、約39.9%が「部下がなかなか育たない」と回答しています。



このことからも、部下の育成、はたまた組織の底上げは、管理者の方を悩ませる事柄の1つではないかと思います。




さて、ここからが本題で、「ではどうやって組織の底上げを行えばいいのか?」ですが、これは自分の経験と、一般的に認識されている法則と言われるものを組み合わせて、話していきます。



まず、組織の底上げの方法で、思いつくのは「研修会」「勉強会」ではないでしょうか?




これについては、私は懐疑的で(もちろん時と場合にはよりますが…)、経験上からも「組織の底上げ」には繋がりにくいと感じています。




ちょっと実際にはどうなのかを調べてみましたが、なかなか研修会の効果を示す論文が見つかりませんでした(たぶんテーマが大きいからだと思います)。



とりあえず、有名なラーニングピラミッドのお話を入れたいと思います。




皆さんご存知だと思いますが、“ラーニングピラミッドとは、学習方略の効果性の文脈において、ラーニングピラミッドと呼ばれるモデルが存在”するようです。



ラーニングピラミッドモデルが示す学習定着率は、講義:5%、読書:10%、デモンストレーション:30%、グループ討論:50%、自ら体験する:75%、人に教える:90%と示されています。



このモデルからすると、講義で構成される研修会の学習定着率は約%ですので、「研修会やるより他のアプローチした方が良いんじゃない?」むしろ、「体験させて、人に教える方が良いんじゃない?」みたいな考え方になると思います。



しかし、この一般的になっているラーニングピラミッドは実は背景となる根拠(データ)が無いみたいです。



これには驚きでしたが…




ただ、実際に現場で、「この前の研修会で教わったよね?」と聞いても、「そんなこと教わりましたっけ?」とか、普通にありますし、大体2-3ヵ月も経ったら、内容なんてほぼ覚えていないというか、元々覚えようという気持ちで研修会に臨んで無かったというか…少なからず経験がある方もいらっしゃると思います。



なので、根拠となるデータがないのに、研修会の学習定着率が5%だと言われて、「まぁ、それぐらいだろうね」と腑に落ちて、メチャクチャ炎上することはなかったんだろうと思います。



私は、研修会全てが組織の底上げに効果が無いとは思っていません。要は研修会の使い方だと考えています。私個人の考えかもしれませんが、研修会にはいくつかの種類があると思っています。



その種類は3つありまして…


①アナウンス型研修会
②定着推進型研修会
③能動型研修会



の3つです。



アナウンス型研修会は学習定着率はほぼ無視して、とりあえず周知を目的に行う研修会で、これには時間も労力もかけてはいけません。むしろ資料をコピーして配布するぐらいのレベルで良いと思っています。



例えば、「新導入した(リスク管理の少ない)機械の使い方」などです。とりあえず皆がほぼ日常的に使用する物限定の研修会です。


ここで注意が必要なのが、ほぼ日常的に使用する物かどうか」がポイントです。



皆がほぼ日常的に使用する物であれば、一度説明をしたら、日常的に使用するので学習定着率は研修会後に上がります。たぶん勝手に100%近くになるんじゃないでしょうか?



ここで私の失敗談なのですが、日常的にはあまり使用しない物を研修会によって定着を図ろうと考えて研修会を開催した事がありました。


ラーニングピラミッドでいうと講義主体の研修会の学習定着率は5%です。なので、日常的に使用しない場合は、すぐ忘れるか、あまり覚えていません。これでは研修会の労力や人数×時間が無駄になります。


なので皆が日常的に使用する事のない物・事で組織の底上げを行いたい場合は、このような研修会は不向きであると考えています。


ただ、違う形の研修会にすれば効果はそれなりにあると思っています。それが2つ目の定着推進型研修会です。



この続きは後日書きます。




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【参考・引用文献】
学校法人産業能率大学.第4回上場企業の課長に関する実態調査.2018
https://www.sanno.ac.jp/admin/research/kachou2018.html
土屋耕治:ラーニングピラミッドの誤謬.人間関係研究,17,55-73







少し違った話が入りましてすいません。


今回は、「どうやってワーク・エンゲイジメントを高めたらよいか」の続きです。




『ワーク・エンゲイジメント』を高める方法


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引用元:まぽ (S-cait)さんによる写真ACからの写真





少し前にお話しした通り(『働く意欲』と人材育成・組織マネジメント(3))、
ワーク・エンゲイジメントを高める方法は大きく言うと



①スタッフや部下が行ったことに対して、適切なタイミング、内容で「フィード・バック」を行う

②子育て・介護世代(今のところはこの世代)が働きやすいような「社会的支援」育休や勤務時間短縮制度、企業内保育所など)を整える

③適切な方法、タイミングや量を考慮した「上司によるコーチング」を行う

④業務内容の見直しや適切な業務量の振り分け、仕事内容の適任判断などの「仕事のコントロール」を行う

⑤革新的な風土

⑥報酬

⑦日本社会ではなかなか根付かない
「承認」を行う


ことでワーク・エンゲイジメントが高まります。





内容的には、普通のことで、革新的な感じがしないと思います。




世の中の課題の多くのことは、大体普通のことを行っておけば、課題はクリアできると思います。




ただ普通のことを普通に行うのではなく、「普通のことを普通以上に行えるか」がポイントだと思います。



それだけで他とは「差別化」が図れます。




なので、⑦の「承認」にしてもそうですが、「褒める」だけでも学術的な研究が数多く行われています。




そこに突っ込んで、どうやったら「承認」の効果を最大化できるかを徹底的に考え、実行し、再検証して、自分の血肉にしていく必要があると思います。





多くは、簡単に上記のワーク・エンゲイジメントを高める方法を行い、あまり効果が無いから、また別の特殊な取り組みを行い、時間や労力を多く消費していき、その割には効果が実感できないスパイラルに陥っていくのではないかと思います。




なので、現在進行形で取り組みを行っている場合、もしくは行う予定がある場合で、マネジメントに悩んでいる方がいらっしゃれば…




「この取り組みは徹底的に行っているのか?」

「そもそも普通のことが普通以上に行えているのか?」


について自問自答を行ってみてはいかがでしょうか?









ワーク・エンゲージメントは一旦終了します。



次回は、「組織の底上げの方法について」を書いていこうと思います。





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今回は「なぜ普通のことが普通にできないのか?」について書いていこうと思います。



この「普通のことが普通に」には、多くの意味合いが含まれていると思います。


例えば、「マニュアルに記載していることは、しっかり守る」とか、「指示された仕事をしっかり行う」とか、「提出物は期日を守る」とか、いろいろありますが、今回は意味合い等は抜きにして書いていきます。



「なぜ普通のことが普通にできないのか?」の理由は、おそらく2つあるのではないかと思います。


まず1つ目に「新しくもないし、カッコ良くもないから」、2つ目に「『普通』の認識が人それぞれ違うから」です。




普通のことが普通にできない理由


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引用元:fujiwaraさんによる写真ACからの写真




1.新しくもないし、カッコ良くもないから

「普通のことが普通にできる」の代表例としては、『挨拶』ではないでしょうか?


『挨拶』については、皆さん共通にイメージができるし、普段行っていることではないでしょうか?


『挨拶』がしっかりできても、褒められません。なぜなら、できて当たり前だと皆さんが考えているからです。


『挨拶』は革新的な取り組みでもないし、できたとしても「挨拶できるやつってカッコ良いよな」、「尊敬の眼差しやな」とは、なかなかならないと思います。



ただ、これが困ったことに、その普通の『挨拶』ができていないと、注意されたりしますよね。



世間一般では、やはり『挨拶』が気持ちよくできる人に好感を持ち、商談や職場環境が良くなるからだと思います。



ただ、困ったことに、「挨拶をしっかりしなさい」と指導されても、新しい体験でもないし、カッコ良くもないから、なかなか指導が上手くいかないことが多いと思います。



このようにして「普通のことが普通にできない」現象が生まれているのではないかと思います。




ここで、前回の話に少し戻ります。
『働く意欲』と人材育成・組織マネジメント(3)


スタッフのワーク・エンゲイジメントを高める方法として、8つほど挙げさせて頂きました。


例えば1つ目の、「スタッフや部下が行ったことに対して、適切なタイミング、内容でフィード・バックを行う」についても、「普通のこと(よく耳にすること)すぎて、革新的ではないし、出来てもカッコ良くもない」と感じているのではないでしょうか?



このため、簡単なはずのフィード・バックがあまり行われていないのではないかと思います。




2.『普通』の認識が人それぞれ違う

さきほど『挨拶』の例を挙げましたが、仕事というのは、いうなれば『人間関係でできている』といっても過言ではないと思います。


人はAIではないので、エビデンスとは矛盾した事を選択し、むしろ感情を先だって選択することもあると思います。


社会組織は『正しいことが正解ではない』ということがあると思います。


このため、人の好感を得ることができる『挨拶』がしっかり行えると、『良い人間関係』が築け、仕事へと発展し、成果を残すことがあるのでしょう。


このことを経験している方とそうでない方は、『普通の挨拶』と考えるレベルが、かなり違ってくるのだと思います。



このため「普通のことが普通にできない」という現象が生まれると思います。



ここで、またまた前回の話に少し戻ります。
『働く意欲』と人材育成・組織マネジメント(3)


「スタッフや部下が行ったことに対して、適切なタイミング、内容でフィード・バックを行う」についても、このことをしっかり勉強しており、実践を行いながら精度を高めている方の行う方法と、あまり詳しくなく、経験も無い方の行う方法とでは、結果が違ってくると思います。



このため、自分は部下にしっかりフィード・バックをしているつもりと思っていても、普通の底辺程度のスキルを提供しており、スタッフの潜在能力を引き出せていない場合があると思います。



このため、簡単なはずのフィード・バックがあまり行われていない(実際は、普通の底辺レベルで行われていて、効果の実感がないから、フィード・バックをやめている)のではないかと思います。



以上より、「普通のことが普通にできる」ことは、かなり難しいんだと思います。



このため「普通のことが普通にできる」方というのは、ごく少数であり、他人と差別化が図れると言われているのも腑に落ちるなと思います。



今回の内容は、普通のこと過ぎて、上手く説明ができていない感じがしますね。



私もまだまだ普通の底辺レベルということですね。




次回は、「どうやってワーク・エンゲイジメントを高めたらよいか」の続きを書いていこうと思います。



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さて、今回は前回お話しした、「ワーク・エンゲイジメント」が人材育成や組織マネジメントにおいてどのような帰結をもたらすのか?を書いていこうと思います。




ワーク・エンゲイジメントの帰結


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引用元:fujiwaraさんによる写真ACからの写真




1.心身の健康
 ワーク・エンゲイジメントが高いほど心理的苦痛や身体愁訴が少ないことが明らかにされているようです。


2.仕事や組織に対するポジティブな態度
 ワーク・エンゲイジメントが高いほど職務満足感や組織へのコミットメントが高く離転職の意思が低いことが知られているそうです。


3.パフォーマンス
 ワーク・エンゲイジメントが高いほど自己啓発学習への動機づけや創造性が高く役割行動や役割以外の行動を積極的に行うほか、“部下への適切なリーダーシップ行動が多い”ことが明らかにされているそうです。



ワーク・エンゲイジメントと心身の健康との関連性は確かにありそうですよね。



ワーク・エンゲイジメントの構成要素に「活力」・「熱意」・「没頭」があります。

「活力」は就業中の高い水準のエネルギーや心理的な回復を意味します。ワーク・エンゲイジメントが高い人は、仕事から活力を得て、活き活きしているので、心身の健康状態も良いと考えられます。


ただし、ワーク・エンゲイジメントは前述の3要素(活力・熱意・没頭)の複合概念ですので、「熱意(仕事への強い関与、仕事の有意味感、誇り)」が低下してくると、「活力」も低下する可能性があります。



このため、仕事への誇りや、職場への不信感が強くなると、心身の健康状態も低下することが考えられます。



…皆さんも、これについては腑に落ちるのではないでしょうか?



ワーク・エンゲイジメントが高いと仕事や組織に対するポジティブな態度やパフォーマンスも向上することは、確かにそうだろうなと感じます。



ただし、これも逆に考えると、職務満足感や組織への不信感が強いと、ワーク・エンゲイジメントが低下し、スタッフの心身の健康やパフォーマンス(自己啓発学習への動機づけなど)が低下する可能性があります。



これらをまとめると、ワーク・エンゲイジメントは高いに越したことはないのかなぁと考えてしまいます。



仕事のとらえ方や考え方は、人それぞれだと思います。


ただ人生の約3割を占める仕事が楽しいと、より人生も楽しいかなとも思います。



この話については、この章の最後に書こうと思います。



次回は、「では、どうやってワーク・エンゲイジメントを高めたらよいか」について書きたいと思います。



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【引用・参考文献】
●島津明人:ワーク・エンゲイジメントに注目した自助と互助.Jpn J Gen Hosp Psychiatry
●Demerouti E,et al.:The Job Demands-Resources model of burnout.J Appl Psychol
●Schaufeli WB,et al.:Defining and measuring work engagement: Bringing clarity to the concept.Psychology Press,New York
●Sonnentag S:Recovery, work engagement,and proactive behavior::A new look at the interface between non-work and work.J Appl Psychol
●Bakker AB,et al.:Using the Job Demands-Resources model to predict burnout and performance.Hum Resource Manage
●Schaufeli WB,et al.:On the differences between work engagement and workaholism.RJ Burke (Ed):Research companion to working time and work addiction,Edward Elgar,Northampton.






お久しぶりです。少し時間が空きました。




前回からの続きです。



部下がいる方や中間管理職などの方で悩む事も多いと思いますが、スタッフの『働く意欲』を高めるにはどうしたらよいのか?について書いていこうと思います。





『働く意欲』



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『働く意欲』については、おそらく「モチベーション」が1940年頃から長い間議論されていると思います。そして1960年頃から「組織コミットメント」が出てきて、2000年代では「ワーク・エンゲイジメント」が取り上げられてきました。




定義からまとめてみますと、

1.モチベーション(動機づけ)とは
 “意欲の源になる「動機」を意味し、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能”

2.組織コミットメントとは
 “「個人を組織やその組織の方向性に結びつけようとする力」”

3.ワーク・エンゲイジメントとは
 “仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる”



モチベーション理論は、仕事だけでなく様々な分野でも議論されます。


組織コミットメントとワーク・エンゲイジメントで比べてみると、最近の働き方としては、ワーク・エンゲイジメントの方が話しやすい感じもしますので、今回はワーク・エンゲイジメントについて書いていこうと思います。





「ワーク・エンゲイジメント」とは?

先ほども述べましたように、「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」を表します。また“「活力」「熱意」「没頭」の3要素から構成された複合概念”のようです。


1.活力:就業中の高い水準エネルギーや心理的な回復力
2.熱意:仕事への強い関与、仕事の有意味感や誇り
3.没頭:仕事への集中と没頭


を意味するそうです。


また、もともとワーク・エンゲイジメントは、社会経済的状況を背景にバーンアウト(燃え尽き)の対概念として提唱されました。




バーンアウトした従業員は、疲弊し仕事への熱意が低下しているのに対して、ワーク・エンゲイジメントの高い従業員は、活力にあふれ、仕事に積極的に関与する特徴をもつようです。



近年、日本人の働き方について多くの議論がなされており、仕事の効率化及び質の向上が求められていると思います。



また、メンタルヘルスについても議論がなされ、職員の健康度が高く、生産性の高い職場作りなどが必要だと思います。

「ワーク・エンゲイジメント」は『働く意欲』だけではなく、その人の健康状態(心理的)についても測定できます。



このため、『働く意欲』を測定するのであれば、「ワーク・エンゲイジメント」に着目した方が、社会情勢を押さえているのではないかと思います。



次回からは、「ワーク・エンゲイジメント」が高い人、低い人の特徴や、ワーク・エンゲイジメントが人材育成や組織マネジメントにおいてどのような帰結をもたらすのかを書いていきたいと思います。




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【引用・参考文献】
●會田玉美,他:モチベーション向上を企図した高齢障害者への声かけ方法の効果.目白大学 健康科学研究
●Meyer,Becker,& Van Dick,2006
●Schaufeli WB,et al.:The measurement of engagement and burnout:A two sample confirmative analytic approach.J Happiness Stud
●島津明人:ワーク・エンゲイジメントに注目した自助と互助.Jpn J Gen Hosp Psychiatry




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